初期中絶手術のリスクについて【中絶をして3年が経ちました】
妊娠初期中絶手術をする上で、少なからずリスクがあります。
今回は一般的にいわれている手術のリスクについてまとめました。
また、実際に中絶を経験して手術だけでなく精神的な面でのリスクも感じたのでそちらについてもまとめています。
初期中絶手術をしようか悩んでいる人の参考になれば幸いです。
妊娠初期中絶手術のリスク
妊娠初期中絶手術のリスクとしては妊娠しにくくなる・麻酔のトラブルなどが挙げられます。
実際に心配しているようなことが起こる可能性は少ないですが、できるだけリスクが少ない時期に手術を受けたほうがいいです。
初期中絶の場合、妊娠6~9週目が一番リスクが低いといわれています。
赤ちゃんが小さすぎても大きすぎても手術しにくくなるようです。
ちなみに10週をすぎるとリスクが高くなるので、初期中絶ができるギリギリの11週目まで待つことはおすすめできません。
ギリギリでの初期中絶手術は体への負担も大きくなるといわれています。
リスクを気にするなら、ギリギリでの初期中絶は本当にやめておいたほうがいいです。
初期中絶手術で失敗することはまれですが、妊娠しにくくなることがあるようです。
これに関しては医師の腕によると思うので…信頼できる病院を選ぶようにしてください。
手術を受ける病院について疑問や不安な点があれば納得いくまで質問・相談したほうがいいです。
個人的には「この病院大丈夫かな…」と少しでも不安を覚えるようだったら、他の病院にしたほうがいいと思います。
また、麻酔のトラブルもあるようですが…もともと麻酔が効きにくい人でなければあまり心配しなくて大丈夫です。
当たり前のことですが、手術前日にお酒を飲むなどはしないようにしましょう。
病院側から定められた食事時間もきちんと守ることが大切です。
普段服用している薬がある人は事前に相談しておくようにしましょう。
初期中絶手術にはリスクがあるとはいえ、手術を経験した感想としては基本的なことをきちんと守っていれば、そこまで心配しなくて大丈夫だと思います。
- 中絶するなら妊娠6~9週目
- 信頼できる病院を選ぶ
- 手術前の食事など医師の指示はきちんと守る
これらがちゃんとできていれば、まず大丈夫です。
10週目以降だとそんなにやばい?
中絶手術を決断してからすぐに手術ができるものではないので、ギリギリでの初期中絶手術はおすすめできません。
中絶を決断→手術までに、手術含め3回は病院に行く必要があります。
また、病院によっては空き状況が…ということも考えられるので手術をするまでの期間には余裕をもっていたほうがいいです。
私の場合、妊娠11週目の終わりで初期中絶手術をしました。
本当にギリギリだったので以下の流れでした。
中絶を決断
↓
病院を紹介される
↓
2日後に診察
↓
次の週の始めに病院で前処置
↓
次の日に手術
中絶を決断してから産婦人科に行って、ちょうど一週間後に手術をしました。
決断したのが11週目の始めで、手術を受けたのが11週目終わりですね。
中絶を決断したからといって、即日or次の日に手術できるものではないので…本当にギリギリでの中絶はおすすめできません。
産婦人科の先生にも「もうギリギリだから急いで話を進めていきますね」と言われました。
しかし、急いで進めても1週間かかっています。
11週目終わりというと本当に初期中絶手術ができるギリギリなので、体への負担も大きくなります。
(12週目からは中期中絶になります)
もちろんリスクも上がるので、10週目以降での決断はおすすめできません。
6~9週目での初期中絶が一般的に勧められるのも納得…と思いました。
初期中絶手術の一番のリスクは精神面かもしれない
妊娠初期中絶手術の身体面でのリスクを説明しましたが、一番のリスクは精神面での変化かもしれません。
身体面でのリスクはきちんとした病院を選べばまず大丈夫ですが、精神的なダメージは自分が思っているより大きいし長引きます。
私の場合、手術を終えてすぐは不思議とすーっと気持ちが軽くなった感じだったんですが…日が経つにつれて罪悪感から精神的に不安定になっていきました。
毎日同じことばかり考えてしまい、
「なんで中絶してしまったんだろう」
「なんで彼に自分の意見を言えなかったんだろう…」
ということが頭の中でグルグル回っていました。
それが次第に、
「赤ちゃんももういないし死にたい…」
「なんで彼は産もうって言ってくれなかったんだろう…」
「なんでこんなギリギリで中絶しなきゃいけなかったんだろう…」
という考えになっていき、毎日泣いていました。
今考えてみれば、本当に自分勝手な考えなんですが…当時は毎日こんなことばかり思っては鬱になっていました。
・死にたい→自分で中絶しといて甘えたこと言うな
・なんで産もうって言ってくれなかった→自分から産みたいって一回も言ってないでしょ
・なんでこんなギリギリで中絶→自分の意見言わなかったからでは?
という、全部自分が気持ちを言わなかったことが原因じゃんって感じなんですが…。
こうなったのも自分の意見を言えずに中絶してしまったのが大きいと感じています。
たとえ自分の意見を全部伝えた上で中絶していたとしても罪悪感・後悔・悲しみは完全にはなくせないと思いますが、何も言わずに中絶したよりはマシだったんじゃないかな?と思います。
自分の意見を言えずに中絶してしまうと、そのぶん中絶後の精神的ダメージも大きくなってしまいます。
後悔のないように何度も話し合ってから中絶した人でも、多くの女性は中絶後に鬱っぽい状態になっています。
なので精神的なダメージは少なからずあるものと考えて、そのリスクを極力減らすためにも後悔のないようにきちんと何回も話し合ってほしいです。
つらいときは専門家に相談するのも有り
妊娠初期中絶手術後、精神的に不安定になって本当につらければ心療内科などに相談するのも有りだと思います。
中絶の心の痛みを誰かに話すことで、少しは楽になることもあります。
中絶したことで自分が受けた悲しみは、残念なことに彼氏に話しても理解できるものではありません。
やはり男性は自分の身に起きたことではないので、中絶に関して女性のような深い悲しみはないです。
これから前に進んでいこうという感じなので、ポジティブな言葉を投げ返されて逆に傷つくかもしれないです。
当時の私は「考えすぎだって!」「明るくいこう!」みたいに言われましたが…無神経と思ってしまいました。
それよりも専門家に相談して、ただ話を聞いてもらうほうが自分の心が楽になることが多いです。
当時の私は心療内科に行く気力すらなかったんですが…本当に毎日うつ状態で正常な思考ができないなら行くべきだと思います。
というのも、そういうときの悲しみって答えが欲しい・ポジティブを投げてほしいわけじゃないんですよね。
そうじゃなくて、悲しみに寄り添ってほしいと当時の私は思っていました。
ただ、それを彼氏に求めてしまったからダメだったわけです。
彼からすれば優しさでポジティブに言ってくれてたんだと思いますが、当時の私はそうとらえることができませんでした。
また、あまり自分の鬱な感情を話してしまうと、彼氏との関係性が悪くなってしまうこともあります。
そんなときに代わりに心療内科で自分の話を聞いてもらうのはいいことだと思います。
ひとつ、心療内科を利用する際の注意点としてはすぐに薬を処方しようとするところは気をつけたほうがいいです。
抗うつ薬を飲むと癖になってしまったり依存してしまったりで、気づいたら薬の量が増えてしまいがちです。
このあたりは心療内科によって方針が違うと思うので、あくまでもこちらが希望すれば薬を出すというスタンスのところを選んだほうがいいです。
鬱がひどすぎてどうにもならないときは心療内科も有りです。
心療内科っていうと行きづらいイメージがあるとは思いますが…行くことで心が楽になることもあるので一つの選択肢として考えておくといいです。
妊娠初期中絶手術を受けるとき、付き添いはしてもらうべきか?
中絶手術を受けるとき、パートナーや家族に付き添いしてもらうべきか一人で行くか…悩む人も多いと思います。
中期中絶と違い、初期中絶は手術自体も簡単だし短時間で終わります。
なので付き添いがいるのかいらないのか…微妙なところではあると思います。
今回は病院側の付き添いに関しての考え方・私が実際に中絶手術を受けて感じたことをまとめました。
これから初期中絶手術を受けようと思っている人の参考になれば幸いです。
初期中絶手術を受けるときの付き添いについて
まず、妊娠初期中絶手術においてパートナーや家族の付き添いは必須・強制ではありません。
なので付き添いで来てくれる人がいない…という場合でも心配しなくて大丈夫です。
付き添いした人の待つ場所・病院側からの対応ですが、これは病院によって異なります。
・患者と同じ部屋(手術後に運ばれる部屋)で待つことが可能
・一般の待ち合いで待っていてもらう
・手術前の診察や前処置では付き添い可能だが、手術当日は朝一緒に来て迎えに来てもらう(当日は付き添い不可)
大きく分けるとこの3つです。
病院側の考え方によってこのあたりは違うので、自分が手術を受ける病院で事前に聞いておくと安心です。
ちなみに私が初期中絶手術をしたときは、彼に送り迎えをしてもらいました。
ただ、初期中絶手術でも術後しばらくは病院から帰れません。
麻酔が切れるのに時間がかかるので何時間かはベッドで寝ている状態です。
なので付き添いOKの場合でも、パートナーは長時間待つことになるというのは頭に入れておいたほうがいいです。
付き添いは必須ではないが帰りの迎えは必要
手術当日の付き添いは必須ではないですが、病院から帰るときは必ず誰かに迎えに来てもらうようにしましょう。
中絶手術後、帰るときはまだ麻酔から覚めたばっかりなので車の運転はできないんですね。。
なので、パートナーや家族に事前に迎えを頼んでおきましょう。
ちなみに初期中絶の場合、手術~麻酔が切れて帰れるまででだいたい2時間半ぐらいでした。
もし、迎えを頼めない場合は必ずタクシーなどを使って帰るようにしてください。
近いから歩いて帰る!という人もいるかもしれませんが…手術後はまだふらふらしているしすごく体も疲れています。
前日の夜から食事も摂ってないのでなおさらです。
無理はせず、ちゃんと迎えorタクシーで帰宅してください。
強制ではないが付き添いがあると安心
初期中絶手術において付き添いは必須ではないですが、やっぱり付き添いしてもらえると安心感があります。
私の場合は手術前の通院時からすべてパートナーが付き添い・送り迎えしてくれていましたが、あれがなかったらもっと精神的にきつかったと思います。
男の人は中絶手術をするのに病院に付き添うのは嫌…と思うかもしれません。
ですが、中絶という決断も2人で決めたことなのでできるかぎり付き添ってもらうべきだと思います。
中絶をするというだけでもつらいのに診察・前処置・手術すべて一人で行くというのはあまりにもつらすぎます。
中絶手術をするとただでさえ精神的に不安定な状態になるので、手術前から少しでもパートナーに支えてもらってください。
付き添いしてもらうことで、パートナーも中絶について深く考えれると思います。
妊娠初期中絶手術は痛い?痛くない?
また久しぶりの更新になりました。
ここ最近はだいぶ気持ちも落ち着いてきたので、また手術時の事などを振りかえっていこうと思います。
(相変わらず中絶した日が近づくと気分が落ち込むのは変わりませんが…)
妊娠初期中絶手術をする前に一番怖かったのが手術時の痛みです。
不安で何度もネットで調べていましたが、調べれば調べるほど不安になって…という感じでした。
ネットでは
・麻酔が効かなくて意識のあるまま手術された
・途中で麻酔が切れて激痛だった
なども書いてあったので、もし麻酔が効かなかったらどうしよう…という不安がすごく強かったです。
麻酔さえ効いていれば手術は一瞬で終わるので目が覚めたら終了していたんですが…当時すごく怖かった記憶があります。
今振りかえると、お腹の子供を中絶するという残酷な決断をしたのは自分なのに怖いとか不安とか自分の事ばかりで情けないし最低だな、と思います。
そこも当時の自分の未熟さだと思います。
中絶手術当日は、まず術後に休む部屋に連れて行かれ、貴重品などを鍵のかかるロッカーに預けてから手術の準備ができるのを待っていました。
このときに枕元に携帯を置いておいたのを覚えています。
手術後はしばらく動けないので、パートナーや家族にすぐ連絡したい場合は置いておくことをおすすめします。
準備ができて手術室に行くと台の上に上がり、両脚を開いた状態で固定されます。
このときの緊張感が本当にひどくて、すごく怖かったです。
看護婦さんが麻酔をしてくれて、声に出して10数えます。
ネットでは早い段階で麻酔が効いて落ちるという情報があったのですが、私の場合7までは意識がハッキリしていてとても焦りました。
これ本当に効くの?このまま麻酔効かないんじゃないか?と不安でいっぱいでした…。
ですが、8を数えようとしたときに急にガクッと落ちた感じになって、目が覚めたら手術は終わっていて休む部屋に連れて行かれているところでした。
中絶手術による痛みは全くなく、あっけなく終わったことに頭がついていかない状態でした。
中絶を決断するまでの1ヶ月間憂鬱だった気持ちが不思議と軽くなっていました。
毎日泣き続けたけど終わったんだ…という気持ちと、どこか他人事のようなふわっとした感覚で涙も出ない自分が不思議でした。
この時は中絶後の精神的な後遺症なんてないのかもな、と思っていましたが…それが始まるのはまた時間が経ってからでした。
妊娠初期中絶手術自体は全く痛くありません。
ですが、手術直後は子宮収縮剤による痛みがあります。
私の場合、この痛みがかなりつらくて看護婦さんに注射されたぐらいです。
これに関してはまた別の記事で書きます。
初期中絶手術の痛みは怯えるようなものではないですが、決断する前に本当によく考えてほしいです。
それは、何より自分の中に中絶をしたという事実・罪悪感・むなしさがずっと残り続けるからです。
中絶手術をして2年経ちましたが、今でも手術室の様子や手術前・手術後の様子、感覚は鮮明に覚えています。
ふとしたときに急に脳裏によぎって、重苦しい感覚になることもあります。
そのときのことを思い出すと、自分は幸せになってはいけない人間なのではないかと強く思ってしまいます。
だからって腐ってはいけない、となんとか奮い立たせて前を向くようにはしていますが…中絶をしたという事実は一生消えません。
人によって中絶をする理由は様々です。
どうしようもない事情で中絶する人もたくさんいると思います。
ですが、再度よく考えてみてほしいです。
本当に中絶しなくてはいけないのか?
もう他に道はないのか?
今自分が子供を産んだとしたらどうなるか?
しっかり考えて、それでも中絶という選択しかない場合は仕方ないのかもしれません。
ですが、私のように迷いを残したまま、パートナーに自分のの気持ちをちゃんと伝えきらずに決断しないようにしてほしいです。
手術自体は簡単に終わってしまいます。
ですが、後悔はずっと消えません。
中絶をする前にもっとちゃんと話していたら何か変わっていた?
なんで産みたいと言えなかったんだろう?
この気持ちは今もずっと消えません。
今更答えなんて出ないですが、ずっと考えています。
私のような中途半端な気持ちで中絶するようなことだけは絶対にしないでください。